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2024
連合神奈川
ピースウィーク

ビジョン

私たち連合神奈川は 8月6日(広島への原爆投下の日)と、8月9日(長崎への原爆投下の日) 軸としたゾーンを「ピースウィーク」として、県内すべての首長が加盟している「平和首長会議(国連登録NGO)」が提唱する

持続可能な世界に向けた平和的な変革のためのビジョン
-都市による軍縮と人類共通の安全保障
に向けた平和構築-

を支持し 県内各地で街頭行動を行っています

なくならない核の脅威

 広島と長崎の上空に人類史上初めて原子爆弾が投下されてから79年。無差別に罪もない多くの一般市民の命と生活を奪い、生涯にわたって心身を痛め続ける核兵器の危険性や脅威は、世界中で認識されているにも関わらず、現在もおよそ12,500発あまりの核兵器が地球上に存在し、核兵器保有国は、核兵器不拡散条約(NPT)上、核兵器の保有を認められているアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国、保有を宣言しているインド、パキスタン、北朝鮮、事実上の保有国とされるイスラエルの9か国です。

 2023年5月19日に被爆地広島で開催されたG7サミットが発した「核軍縮に関する広島ビジョン」は、「世界の核兵器数の全体的な減少は継続しなければならず、逆行させてはならない」と述べました。確かに、核弾頭の総数は冷戦後一貫して減少傾向にあります。しかし、実質的な核軍拡は進んでいます。注目すべきは、「現役核弾頭」の数の増加です。これは、総数から「退役・解体待ち」の核弾頭数を除いたもの、すなわち配備されていつでも使える状態にある核弾頭(作戦配備の核弾頭)と、配備に備えて貯蔵されている核弾頭(作戦外貯蔵の核弾頭)の数の合計であり、現在9587発と推定されています。また、軍用任務から退役し、解体を前提に保管されている核弾頭ですが、再利用を完全に否定することはできません。

2024年1月、「終末時計」の針は、2年連続過去最悪となる「残り90秒」を維持しました。「終末時計」は、米国の権威ある専門誌「原子科学者年報」 が1947年から継続的に発表しているもので、核兵器使用などによる人類滅亡を午前0時になぞらえ、それまでの残り時間で世界の危機的状況を象徴的に示す試みです。

今回、「残り90秒」を維持した理由について「人類は前例のないレベルの危険に直面し続けている」と指摘。その要因としてまず、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻を挙げています。

高まる世界の緊張

 ウクライナはソビエト時代に多くの核兵器が配備され、1991年のソビエト崩壊時には、その数だけなら世界第三位の核保有国とも言えました。1994年、核兵器を放棄する見返りにアメリカやロシアなどからウクライナに対し、軍事力の行使や武力による威嚇をしないとの約束を取りつけ「ブタペスト覚書」に調印しました。これを受けて、ウクライナは核兵器をロシアに移転するなどして、NPT=核拡散防止条約に加盟しました。

 この覚書を破ってのロシアの軍事侵攻を受け、「安全を保証したロシアにウクライナは侵略された。核を手放すべきではなかった」「ウクライナが現在も核兵器を保持していれば、ロシアが侵攻することはなかった」という世論がウクライナ国内に生まれているほか、ブタペスト合意やNPTの効力に対しての疑念も、ささやかれています。

2024年5月16日、米エネルギー省の国家核安全保障局(NNSA)は、ネバダ州の核実験場で核爆発を伴わない未臨界核実験を行い、成功したと発表しました。2021年9月以来の未臨界核実験の実施です。平和記念資料館では、地球平和監視時計が示す最後の核実験からの日数が「976日」からリセットされました。

核のない世界をめざして

 ウクライナでの戦争は非人道的大惨事であり、ロシアによる核兵器使用の脅威は、核兵器が存在する限り、それは使用可能であり、人類の生存に最大の危機をもたらすものだということを国際社会に痛感させました。 

2017年7月に121カ国によって採択された核兵器禁止条約(TPNW)は、2024年1月の時点で、93の国・地域が署名し、70の国・地域が批准しています。2023年12月、ロシアによるウクライナ侵略や中東情勢が緊迫する中、ニューヨークの国連本部で開かれた核兵器禁止条約の第2回締約国会議は、「人類の存亡に関わる核兵器の脅威に対処し、禁止と廃絶に向けて確固たる決意で取り組む」との政治宣言を採択し、閉幕しました。

本宣言では、「核兵器の近代化や世界情勢の緊張の高まりで、核のリスクはいっそう悪化している」としたうえで、核抑止論の正当化は核の拡散のリスクを危険なほど高めており、核による威嚇は国際法に違反し世界の平和と安全を損なうだけと非難しました。その上で、現在と未来の世代のために、核なき世界の実現に向けたたゆまぬ努力を続けるとし、各国に対して核兵器禁止条約への参加を呼び掛けています。

 連合は、2025年3月に開催を予定している次回会議に向けて国際社会が対話を継続し、「核兵器のない世界」が実現できることを強く期待しています。

核使用の脅威が高まっている今こそ「核兵器は必ず市民を傷つける。その存在意義はない」との認識のもと人類が核兵器によって人質にされている世界に代わる世界、核兵器のない国際安全保障への扉を開かなくてはなりません。

私たちの取り組み

 「核のない世界」を目指し取り組みを進めている平和首長会議は、日本政府に対し核兵器禁止条約への早期署名・批准を求めるとともに、少なくとも同会議にオブザーバーとして参加することを強く要請しています。

私たち連合は、「核兵器廃絶による世界の恒久平和の実現」をめざし、被爆地広島・長崎で毎年8月に実施している平和行動をはじめ、これまで原水禁、KAKKINとともに「核兵器廃絶1000万署名」などの具体的な行動に取り組んできました。

また、高校生平和大使、高校生一万人署名活動のメンバーとともに、軍縮会議が開かれるスイス・ジュネーブの国連欧州本部に届ける核兵器廃絶を求める署名を集めています。高校生平和大使は、国連で「ヒロシマ・ナガサキ・ピース・メッセンジャー」として認知され、核兵器の廃絶に向けた国際社会の協調した行動を求め、関係団体と連携し、幅広い世論喚起に取り組んでいます。高校生平和大使は、1998年のインド/パキスタンの核実験を止めようと、高校生が国連に派遣されたことから始まりました。2018年からは「ノーベル平和賞」候補にも推薦されています。

ダウンロード

「連合神奈川 ピースウィーク」チラシのダウンロードは下記よりお願いいたします。