連合神奈川は、1月25日(水)の第312回執行委員会において「2017春闘方針そのⅡ」を確認しました。本確認内容を踏まえ、連合神奈川としての主な諸行動を示し、取り組んでいくことにします。

1.連合本部 第1回中央闘争委員会 確認事項(要旨)

(1)構成組織における2017闘争体制の確立に向けて

構成組織は、すべての働く者の賃金の「底上げ・底支え」「格差是正」の実現を通じて「経済の自律的成長」「社会の持続性」の達成をはかる。とりわけ「大手追従・準拠などの構造の転換」と「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」の運動を前進させるという内容に沿って、それぞれ闘争方針と闘争体制を確立していく。

(2)共闘連絡会議の開催

部門別共闘連絡会議は参加構成組織の要求内容を把握した上で、適宜第1回書記長・事務局長会議を開催し、より主体的な闘争を進めるために情報交換および情報開示を進めていく。単組の要求策定に資するよう、「中核組合」「先行組合」「中堅・中小組合」の確認を早期に行った上で、2月初旬に「中核組合の賃金カーブ維持分・賃金水準」および「代表銘柄・中堅銘柄」を開示できるよう準備を進める。

(3)「底上げ・底支え」「格差是正」の取り組み

2017春季生活闘争において実現をめざす重要な目標である様々な格差(企業規模間、雇用形態間、男女間など)の是正をめざし、実効性ある取り組みを行うための準備を進めていく。構成組織においては、最低到達水準を確保する点検を行う。地方連合会は、連合リビングウェイジに基づく最低到達水準、および地域ミニマム運動に基づく地域の職種別賃金相場を広く開示し、地場の賃金相場の社会的波及を進める。

(4)職場点検活動の実施

単組は、「2017春季生活闘争 職場点検チェックリスト」(12月12日付け@RENGO第14-01425号掲載済み)も用いながら職場点検活動を行い、法律・労働協約の遵守や安全問題への対応を徹底させ、公正なワークルールの確立をめざす。また、2017春季生活闘争方針を踏まえ、長時間労働の撲滅に向け年次有給休暇の取得促進や支部単位での労使コミュニケーションの強化などに取り組むこととする。

(5)社会対話の促進

連合本部は経団連とのトップ懇談会等、経済団体との協議を通じて労働側の主張を明確にしていくとともに、「クラシノソコアゲ応援団!RENGOキャンペーン」と連動し広く社会に向けてアピールする。地方連合会は、開かれた春季生活闘争の実現に向けて、地域活性化や人財確保など地域の課題をテーマとした「地域フォーラム」を開催するべく、実施に向けた諸調整を促進する。

(6)組織拡大の取り組み

構成組織は春季生活闘争の中で、パート・有期契約労働者など企業内未組織労働者の組織化と子会社・関連会社などでの集団的労使関係の構築に取り組む。

 

2.連合本部 第2回中央闘争委員会 確認事項(要旨)

(1)経団連「2017 年版経営労働政策特別委員会報告」に対する連合見解

経団連は1月17日、「2017年版 経営労働政策特別委員会報告-人口減少下での経済の好循環と企業の持続的成長の実現」(以下「報告」)を発表した。連合は「報告」に対し総括的に以下の見解を示すとともに、経営側に対して労働組合の主張を徹底していく。

「報告」は冒頭「序文」において、「デフレから脱却し、経済の好循環の歯車を力強く回していく主体は企業」であり、「経営者が強いリーダーシップを発揮」すべきと、力強く宣言している。「伸び悩んでいる個人消費を喚起するには、消費マインドの醸成と高揚が肝要」とし、また、「将来不安の払拭に欠かせない持続的な社会保障制度の確立に向けた改革や、働き方に中立な税制の構築・見直し」への取組を政府に求めている。これらは連合も同様の考えをもっており、その実現に向けて労使が積極的に取り組みを進めていきたい。

「一人当たりの生産性向上と企業収益の拡大を実現し、それを雇用の安定・拡大と社員の処遇改善へとつなげていく」「就労面での安心と生涯所得・世帯所得を高める取組みを推進することは、社員の将来不安の払拭に大きく寄与する」「生産性の向上と長時間労働の是正に取り組む」などは、労使共通課題として取り組む必要がある。先人がさまざまな工夫を重ねて築き上げてきた「春季生活闘争」という日本全体の賃金決定システムを十分に活用して、経済の自律的成長につながる「底上げ・底支え」「格差是正」の実現に資する月例賃金の引上げを行わなければならない。

個別産業・企業における建設的な労使関係をベースに自社の従業員・組合員への投資と、マクロの観点から求められる社会的役割を強く意識した取り組みと結果が求められている。かつて日本経済の先行きを懸念し、その危機からの脱出に寄与した労使交渉の歴史的経過を今こそ思い起こす時である。 

(2)非正規共闘の取り組み

非正規労働者の労働条件改善に向けて、産業特性を踏まえた取り組みを強化する。また2018年4月1日に改正労働契約法施行から5年となることを踏まえ、非正規労働者の雇用不安・雇止め不安に焦点を当てた取り組みとして、2月9~11日に「~雇用の不安・雇止めの不安はありませんか~パート・アルバイト・契約・派遣などで働くみなさんのための連合労働相談ホットライン」(電話相談)、および「-労働契約法改正(無期転換ルール)への対応- 労働者・経営者のためのお悩み解消セミナー」を実施する。 

 

3. 連合神奈川における「2017春季生活闘争」今後の主な取り組み

(1)中小支援センターの取り組み

2月初旬より中小労組春闘オルグを開始します。

2017春季生活闘争・中小学習会開催

日 時  2017年2月24日(金)18時30分~

場 所   ワークピア横浜「かもめ」 規模 60名

演 題  2017春季生活闘争・中小共闘の取り組みと課題(仮題)

講 師  連合総合労働局局長  須田 孝 氏

(2)神奈川ミニマム運動の取り組み

①取り組み経過

これまでの地域ミニマム運動では、集約された実態調査結果の全産業男女計の第1十分位を基本に、各地方連合会で35歳を基本年齢とした5歳ポイント毎の「地域ミニマム賃金」を設定し、それ以下の賃金水準の労働者をなくす運動を展開してきた。

また、春闘の取り組みの展開においては、「到達水準目標」「最低到達水準値」「地域ミニマム賃金」を設定してきたが、構成組織が掲げる到達目標との整合性の観点から実効性という点で課題となっていたことなどを踏まえ、2015春闘方針では、格差是正、底上げ・底支えの機能に特化するべく、連合リビングウェイジをもとにした「最低到達水準」を設定することにした。併せて、実態調査で集約された各地域における業種毎の賃金水準(特性値)を広く情報開示することで、地場の賃金相場形成・波及を推進する取り組みを展開した。

連合神奈川におけるミニマム基準の設定については、全産業の賃金水準が把握できていないものの、構成組合の協力の下、これまで地域ミニマム賃金設定が可能となる目安としての、「300人未満の中小労組を基本に、3,000名分以上の目標」は十分にクリアーできていることから、「年齢別賃金特性値表」および「産業別特性値表」の第1十分位を、連合神奈川としての2017春闘におけるミニマム基準の参考値として設定することにします。構成組織は、上述したミニマム基準を元に、地域における職種別賃金の相場観を高める運動を進めていくことにします。なお、今後、全産業の賃金水準が把握できる様、地域ミニマム運動への一層の協力を求めることにします。

(3)組織拡大等の取り組み

①春闘を通じた組織拡大

交渉期間の前後を通じ、未組織・未加盟組合への情報提供、相談対応を積極的に進めることにします。具体的には、「クラシノソコアゲ応援団!RENGOキャンペーン」との連動を図りながら、「連合神奈川の日」における街宣活動など、「目に見える連合神奈川」をアピールしつつ、組織拡大の運動に寄与していくことにします。

②まちかど労働相談の実施

「まちかど労働相談」を5月13日(土)、6月17日(土)、9月3日(日)、10月9日(月)13時~新都市プラザ(横浜そごう前)にて開催していくことにします。

(4)春闘学習会・決起集会の開催

①連合神奈川 2017春季生活闘争総決起集会

日 時   2017年3月1日(水)18時30分~

場 所     関内ホール   規模  1,200名

○主催者代表挨拶 連合神奈川 柏木 会長

○基調講演    連合本部  安永 副事務局長

○産別代表決意表明  2つの産別を予定

○集会宣言(案)採択 連合神奈川青年委員会

○団結ガンバロー

(5)要求内容・交渉状況の把握

構成組織の要求内容・交渉状況・回答内容を適宜把握し、中小労組・連合ユニオン神奈川・神友連の交渉に役立てていくことにします。

以 上