連合神奈川 2018春季生活闘争方針 そのⅠ

はじめに

連合は、11月16日に第3回中央執行委員会を開催し、2018春季生活闘争方針(案)を確認し、12月5日の第76回中央委員会において決定しました。

連合の2018春季生活闘争では、『「総合生活改善闘争」の位置づけのもと、国民生活の維持・向上をはかるため、労働組合が社会・経済の構造的な問題解決をはかる「けん引役」を果たす為、①「経済の自律的成長」「包摂的な社会の構築」「人的投資の促進」「ディーセント・ワークの実現」をめざす! ②「底上げ・底支え」「格差是正」と「すべての労働者の立場にたった働き方」の実現を同時に推し進めよう! ③働く者・国民生活の底上げをはかるために果敢に闘おう!(労使で確認してきた生産性三原則「雇用の維持・拡大」「労使の協力と協議」「成果の公正分配」にもとづいた生産性向上の重要性を今一度社会合意としていく)』としています。

連合神奈川は、こうした連合方針を踏まえ、神奈川全体の「底上げ・底支え」「格差是正」の実現に向けて、2018春季生活闘争の取り組みを、以下の通り提起します。

 

Ⅰ.連合本部2018春季生活闘争方針(要旨)

1.基本的な考え方

(1)「底上げ・底支え」「格差是正」に寄与する取り組みの継続

日本経済の先行きは、緩やかな成長が見込まれているが、企業収益が過去最高を記録する中、労働分配率は低下を続け、実質賃金も横ばいとなっており、個人消費については、若干の上向き感はみられるものの、回復に向けた勢いはみられない。

働く者のモチベーションを維持・向上させていくためには、「人への投資」が不可欠であり、すべての労使が社会的役割と責任を意識して労働諸条件の改善をはかることが必要である。

したがって、月例賃金の引き上げにこだわり、賃金引き上げの流れを継続・定着させる必要がある。

(2)「大手追従・大手準拠などの構造を転換する運動」の継続的な取り組み

1)個別賃金の社会的水準の確保と相場形成に向けて

2017年春季生活闘争における「大手追従・大手準拠などの構造を転換する運動」は、連合・構成組織・中小組合が一体となった取り組みを行った結果、「賃上げ分」「定期昇給込み賃上げ」が昨年を超えると同時に、「賃上げ分」の率が大手を上回る等、中小の主体的な取り組みが見られた。これを今後も継続・定着させるとともに、さらに前進させていく必要がある。

2)取引の適正化の推進

中小企業の賃上げ原資確保には取引の適正化の推進が不可欠であり、「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正配分」が必要である。したがって、取引の適正化と健全で安全で働き甲斐のある職場の実現が同時に推し進められるよう、職場労使、経営者団体とともに、社会全体に訴えていく。

(3)「すべての労働者の立場にたった働き方」実現への取り組み

企業の存続に不可欠な「人材の確保・定着」と「人材育成」に向けては、職場を熟知する労使によって長時間労働の是正をはじめとする働き方を見つめ直し、安全で健康で持続可能な職場を構築していくとともに、正規労働者・非正規労働者を問わず個々人の状況やニーズにあった多様な働き方を選択できる仕組みを整えていくことが必要である。

同じ職場で働くすべての労働者の均等・均衡待遇の実現や正社員化の取り組み、安心して育児・介護・治療と仕事の両立を可能とする取り組みなど、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取り組みも必要である。

2.具体的な要求項目

(1)賃上げ要求

1)月例賃金

すべての組合は月例賃金にこだわり、2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め4%程度とする。

2)規模間格差の是正(中小の賃上げ要求)※中小共闘方針抜粋

連合加盟組合全体平均賃金水準の2%相当額との差額を上乗せした金額を賃上げ水準目標(6,000円)とし、賃金カーブ維持分(1年・1歳間差:4,500円)を含め、総額で10,500円以上を目安に賃金引き上げを求める。

3)雇用形態間格差の是正(時給等の引き上げ)

時給引き上げの取り組みは、とりわけ、非正規労働者の労働諸条件の「底上げ・底支え」「格差是正」と正規労働者との均等待遇の実現をはかるため、次のいずれかの取り組みを展開する。

① 「誰もが時給1,000円」を実現する。

② すでに時給1,000円超の場合は、37円を目安に要求する。(6,000円/164時間)

③ 「都道府県別リビングウェイジ」を上回る水準をめざして取り組む。

④ 昇給ルールの導入・明確化の取り組みを強化する。昇給ルールが確立されている場合は、昇給分を確保した上で、「底上げ・底支え」「格差是正」にこだわる内容とする。

4)男女間賃金格差の是正

男女の勤続年数や管理職比率の差異が男女間の賃金格差の主要因となっていることから、職場における男女間賃金格差の是正に向けて取り組みを進める。

① 単組は、賃金データにもとづいて男女別・年齢ごとの賃金分布を把握して「見える化」(賃金プロット手法など)をはかるとともに問題点を点検し、改善へ向けた取り組みを進める。

② 生活関連手当(福利厚生、家族手当など)の支給における住民票上の「世帯主」要件は実質的な間接差別にあたるので、廃止を求める。また、女性のみに住民票などの証明書類の提出を求めることは男女雇用機会均等法で禁止とされているため、見直しを行う。

5)企業内最低賃金

すべての組合は企業内最低賃金を産業の公正基準を担保するにふさわしい水準で要求し、協定化を図る。また、適用労働者の拡大をめざす。18歳高卒初任給の参考目標値…172,500円

6)一時金

月例賃金の引き上げにこだわりつつ、年収確保の観点も含め、水準の向上・確保を図る。

7)中小企業・非正規労働者等の退職給付制度の整備

① 企業年金のない事業所においては、企業年金制度の整備を事業主に求める。その際、企業年金は賃金の後払いとしての性格に鑑み、確定給付企業年金(DB)を中心に制度設計を検討する。

② 非正規労働者に企業年金が支給されるよう、退職金規程の整備をはかる。

 

(2)すべての労働者の立場にたった「働き方」の見直し

1)長時間労働の是正

罰則付き時間外労働の上限規制など、長時間労働是正に向けた労働基準法改正が行われることの趣旨と意義を踏まえ、先行的に職場の基盤づくりに取り組む。

① 36協定の締結について

a)36協定は、「月45時間、年360時間以内」を原則に締結する。

b)やむを得ず特別条項を締結する場合においても、年720時間以内とし、原則を踏まえ、より抑制的な時間となるよう取り組む。

c)休日労働を含め、年720時間以内となるように取り組む。

d)本則の適用猶予となっている業種についても、原則に近づけるための労使協議を行うとともに、適用除外となっている業務についても、本則を適用するよう労使協議を進める。

② 適用猶予されている中小企業においても、月60時間を超える割増賃金率を50%以上に引き上げる。

③ 勤務間インターバル規制(原則11時間)の導入について、労使協議を進める。

④ 労働者の健康確保の観点から、管理監督者、みなし労働適用者を含むすべての労働者の実労働時間を客観的な方法で把握する仕組みを導入する。

⑤ 年次有給休暇の取得促進

年休カットゼロに向けて取り組むとともに、労働基準法改正により事業者に年休5日の時季指定権が義務化されることを踏まえ、5日未満者をなくす取り組みを推進する。

⑥ 50人未満の事業場においても安全衛生委員会の設置を行う。

2)職場における均等待遇実現に向けた取り組み

雇用形態にかかわらず仕事に応じた適正な処遇の確保に向けた基盤整備に先行的に取り組む。

① 雇用安定に向けた取り組み

個々人のニーズに応じた働き方が選択できる制度の整備を推進する。

a)正社員への転換ルール・制度を整備し、また制度の運用状況の点検を通じて、正社員化を希望する者の雇用安定を促進する。

b)2018年4月より改正労働契約法第18条の無期転換ルールが適用されるケースが本格的に生じることを踏まえ、無期転換あるいは正社員登用に向けた制度の構築と雇止め防止に向けた労使協議を行うとともに、当該労働者への周知を徹底する。

② 「同一労働同一賃金」の実現に向けて法改正が行われることを踏まえ、職場における雇用形態間の不合理な労働条件の点検・改善に取り組む。

a)一時金の支給

b)福利厚生全般および安全管理に関する取り組み

c)社会保険の加入状況の確認・徹底と加入希望者への対応

d)有給休暇の取得促進

e)育児・介護休業の取得は正社員と同様の制度とする。

f)再雇用者(定年退職者)の処遇に関する取り組み

 

(3)ワークルールの取り組み

すべての職場におけるディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現、ワーク・ライフ・バランスの推進、コンプライアンスの徹底をはかる観点から取り組みを進める。

1)改正労働基準法に関する取り組み

罰則付き時間外労働の上限規制を先取りした取り組みに加えて、労働時間規制の実効性を高めるべく、①36協定の点検(休日労働の抑制、限度時間を超える場合の健康確保措置、過半数労働組合・過半数代表者のチェック、36協定の周知状況等)、②労働時間管理の新ガイドライン等を踏まえた労働時間管理・適正把握の徹底、③事業場外みなしおよび裁量労働制の適正運用に向けた点検(労使協定・労使委員会、健康・福祉確保措置の実施状況、労働時間の状況)を行う。

2)同一労働同一賃金の実現に向けた法改正に関する取り組み

雇用形態間における均等待遇原則(同一労働同一賃金)の実現に向けた法改正(パートタイム労働法、労働契約法及び労働者派遣法改正)の内容を踏まえて、①労働組合への加入の有無を問わず、パートタイムや有期契約で働く非正規雇用労働者の労働諸条件についての点検、②個々の労働条件・待遇ごとにその目的・性質に照らして不合理となっていないかの確認、③パートタイムや有期契約で働く労働者の組合加入およびその声を踏まえた労使協議の実施など非正規雇用労働者も含めた集団的労使関係の強化に取り組む。

3)改正労働者派遣法に関する取り組み

2015年改正法に関する派遣可能期間の期間制限到来を前に、要員協議の実施及び意見聴取に関する準備(部署ごとの派遣労働者の人数、期間等の確認)を行う。

また、同一労働同一賃金に向けた法整備において、派遣労働者と派遣先労働者との均等・均衡待遇が原則とされたことを踏まえ、派遣労働者の賃金・労働条件を点検した上で事業主に必要な対応(均等・均衡待遇が可能な水準での派遣料金設定等)を求める。さらに、食堂・休憩室・更衣室などの福利厚生施設については、派遣労働者に不合理な条件などが設定されることなく等しく利用できるように取り組む。

4)障がい者雇用に関する取り組み

2018年4月より障害者雇用促進法にもとづく法定雇用率が2.2%(国・地方自治体2.5%、教育委員会2.4%)に引き上げられることを踏まえて、職場における障害者雇用率の把握と、その達成に取り組む。また、「障がい者であることを理由とした不当な差別的取扱いの禁止」、「合理的配慮の提供義務」、「相談体制の整備・苦情処理および紛争解決の援助」が事業者の責務とされたことを受け、労働協約・就業規則のチェックや見直しに取り組む。

5)有期労働契約(無期転換ルール)に関する取り組み

2018年4月より改正労働契約法第18条の無期転換ルールが適用されるケースが本格的に生じることを踏まえ、対象となる有期契約労働者への周知および無期転換促進の取り組みに加え、無期転換後の労働条件の対応、無期転換ルール回避目的の雇止めの防止、クーリング期間の悪用防止、雇止め法理の周知、無期転換ルールの対象となる有期契約労働者の労働組合加入促進などの取り組みを進める。

6)女性活躍推進法に関する取り組み

「(4)男女平等の推進」を参照。

7)短時間労働者に対する社会保険の適用拡大に関する取り組み

2016年10月より501人以上の企業等における短時間労働者に対する社会保険の適用が拡大されたことを踏まえ、①社会保険が適用されるべき労働者が全員適用されているか点検・確認するとともに、②事業者が適用拡大を回避するために短時間労働者の労働条件の不利益変更を行わないことを確認する。

また、2017年4月からは500人以下の民間企業についても、労使合意にもとづく短時間労働者への適用拡大が可能となったことを踏まえ、③500人以下の企業において短時間労働者へ社会保険を適用するよう事業主に求めるなどの取り組みを進める。

8)育児・介護・治療と仕事の両立の推進に関する取り組み

長期にわたる治療が必要な疾病を抱える労働者から申出があった場合に円滑な対応ができるよう、労働協約・就業規則など諸規程の整備を進める。

 

(4)男女平等の推進

男女の人権が尊重され、仕事と生活の調和が取れる社会の実現をめざし、職場における男女平等や両立支援の促進に向け、『女性活躍推進法に基づく「事業主行動計画」策定等についての取り組みガイドライン』などを活用して取り組みを進める。

1)女性活躍推進法、男女雇用機会均等法等の定着・点検

女性活躍推進法や改正男女雇用機会均等法の定着・点検に向け、以下の課題に取り組む。交渉・協議にあたっては、できる限り実証的なデータにもとづく根拠を示し、改善を求めていく。

① 女性の昇進・昇格の遅れ、配置や仕事の配分が男女で異なることなど、男女間格差の状況を点検・労使協議を行い、積極的な差別是正措置(ポジティブ・アクション)により改善をはかる。

② 合理的な理由のない転居を伴う転勤がないかどうか点検し、是正をはかる。

③ 妊娠・出産などを理由とする不利益取扱いの有無について検証し、是正をはかる。

④ 同性間セクハラ、ジェンダー・ハラスメントも含めたセクシュアル・ハラスメント防止措置の実効性が担保されているか検証する。

⑤ 「性的指向及び性自認に関する差別禁止に向けた取り組みガイドライン」を活用し、就業環境の改善等に取り組む。

⑥ 女性活躍推進法にもとづく事業主行動計画策定に労使で取り組む。策定にあたっては、各事業所の状況にもとづいて、現状を把握・分析し、必要な目標や取り組み内容を設定する。

⑦ 行動計画が着実に進展しているか、PDCAに積極的に関与する。

⑧ 関連する法律や女性活躍推進法にもとづき策定された行動計画の内容について、学習会の場を設置するなど周知をはかる。

2)育児や介護と仕事の両立に向けた環境整備

育児や介護と仕事の両立に向けた環境整備について、以下の課題に取り組む。

① 改正育児・介護休業法の周知・点検をはかるとともに、両立支援策の拡充の観点から、これを上回る内容への拡充について労働協約の改定に取り組む。

② 有期契約労働者に対して制度を拡充する。

③ 育児休業、介護休業、子の看護休暇、介護休暇、短時間勤務、所定外労働の免除の申し出や取得により、解雇あるいは昇進・昇格の人事考課などにおいてマイナス評価とするなど、不利益取り扱いが行われないよう労使で確認・徹底する。

④ マタニティ・ハラスメントやパタニティ・ハラスメント、ケア(介護)・ハラスメントなどをはじめとする、あらゆるハラスメントを一元的に防止する取り組みを各企業に働きかける。同時に、妊産婦保護制度や母性健康管理について周知されているか点検し、妊娠・出産およびこれに関わる制度を利用したことによる不利益取り扱いの禁止を徹底する。

⑤ 女性の就業継続率の向上や男女のワーク・ライフ・バランスの観点から、男性の育児休業取得促進に取り組む。

⑥ 両立支援制度や介護保険制度に関する情報提供など、仕事と介護の両立を支援するための相談窓口を設置するよう各企業に働きかける。

⑦ 不妊治療と仕事の両立に向け、取得理由に不妊治療を含めた休暇等(多目的休暇または積立休暇等を含む)の制度整備に取り組む。

3)次世代育成支援対策推進法にもとづく取り組みの推進

① ワーク・ライフ・バランスの推進に向けた労働組合の方針を明確にし、労使協議を通じて、計画期間、目標、実施方法・体制などを確認する。さらに、作成した行動計画の実現による「くるみん」マーク、および「プラチナくるみん」の取得をめざす。

② 「くるみん」マークおよび「プラチナくるみん」を取得した職場において、その後の取り組みが後退していないか労使で確認し、計画内容の実効性を高める。

 

3.運動の両輪としての「政策・制度実現の取り組み」

すべての働く者の「底上げ・底支え」「格差是正」に向けて、政策・制度実現の取り組みを春季生活闘争における労働諸条件改善の取り組みとともに運動の両輪として推し進める。

具体的には、「2018年度 重点政策実現の取り組み方針」を踏まえ、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けた以下の政策課題について、政府・政党への働きかけ、審議会・国会審議対応、街宣活動などを通じた世論喚起など、連合本部・構成組織・地方連合会が一体となって幅広い運動を展開する。

(1)企業間における公正・適正な取引関係の確立に向けた取り組み

(2)税による所得再分配機能の強化に向けた取り組み

(3)雇用形態にかかわらない均等待遇原則の法制化、および時間外労働の上限規制の確実な実現に向けた取り組み

(4)医療・介護・保育サービスの人材確保に向けた取り組み

(5)子ども・子育て支援の充実と待機児童の解消等の財源確保に向けた取り組み

(6)教育の機会均等実現に向けた教育の無償化・奨学金の拡充に向けた取り組み

 

Ⅱ.連合神奈川としての2018春季生活闘争方針の取り組み

上述した連合方針を踏まえ、連合神奈川として地域と職場が一体となって「安心と安定の社会づくり」をめざした取り組みを進めることとします。

また、今次闘争の納得できる回答引き出しに向けて、引き続き、基本的な役割を明確にし、今次闘争の共闘の強化を図ります。

1.取り組みの基本

(1)すべての組合は月例賃金の引き上げにこだわる取り組みを継続する

「経済の自律的成長」「社会の持続性」を実現するためには、すべての働く者の「底上げ・底支え」「格差是正」による継続した所得の向上を実現することが不可欠であり、その為には、すべての組合は月例賃金の引き上げにこだわる取り組みを継続するとともに、あらゆる手段を用いて産業全体の底上げに寄与する取り組みを展開します。そして、組織労働者の成果を非正規・未組織労働者、公務部門へ波及させていくことにします。

1)連合神奈川として「神奈川ミニマム運動」の展開を進め、神奈川独自の水準をしっかりと見極め、中小・地場組合の交渉に役立てることにします。

2)また、産業部門間の情報交換と取り組みの一体を図り、相乗効果の向上を目指す観点から、これまで強化・充実を図ってきている産業部門別連絡会の機能を発揮した取り組みを展開します。

(2)「すべての労働者の立場にたった働き方」実現への取り組みを推進する。

長時間労働是正に向けた労働基準法改正が行われることの趣旨と意義を踏まえ、先行的に職場の基盤づくりに向けた取り組みを推進するとともに、職場における均等待遇実現に向けた取り組みとして、雇用形態にかかわらない適正な処遇の確保に向けた基盤整備の取り組みを推進します。

(3)連合神奈川・各産別の適切な指導のもとで

連合神奈川・各産別は、雇用ならびに協約締結に至る各単組の具体的指導を行うこととし、単組は産別の指導に基づき、具体的な労使交渉を充実させることにします。また、未加盟組合や未組織への対応については、「連合神奈川の日」のチラシなどを活用し、街頭などで連合神奈川の“なんでも労働相談”を宣伝し、「まちかど労働相談」など積極的な窓口を拡大することによってフォローします。

(4)非正規労働者の労働条件引き上げと格差是正

パート労働者などの労働条件引き上げと、格差是正を中心に取り組み、結果的に組織拡大に繋がる様、取り組みします。

(5)中小支援センターを中心に取り組みを強化

中小企業や未加盟の労働組合の取り組み支援のために、引き続き常設委員会である「中小支援センター」を中心に、地場・中小の賃金改善に取り組みます。

また、連合神奈川の友好組織である「神友連」、連合神奈川傘下の「連合ユニオン神奈川」への取り組みや、未組織・未加盟労働者を含めた全ての働く者の総合生活改善を求めていきます。

(6)「政策・制度要求」の実現を期す

総合生活改善の取り組みを強化する立場から「政策・制度要求」の実現に向け、要求が実現するよう取り組みます。

(7)地域における連帯・相乗効果の向上に努める

県下9地域連合においては、地域毎に学習会・研修会、決起集会等を企画・開催し、連合方針・情勢の理解を深めるとともに、相互の情報交換を密にして連帯・相乗効果の向上に努めます。

2.具体的な取り組み

(1)基本的な考え方

すべての労働者を対象とし、「底上げ・底支え」「格差是正」の実現に重点を置いた闘争を展開するために、連合神奈川・構成産別・地域連合は、その機能と力量を最大限発揮すべく、重層的かつ総掛かりでの共闘体制を構築することにします。とりわけ、地方連合会の役割である地域・地場に働くすべての労働者の底上げに注力していくことにします。

(2)部門別連絡会の活動・機能強化

2018春季生活闘争を進めるにあたって、これまで強化・充実を図ってきている産業部門別連絡会を闘争期間中に限り、「共闘連絡会議」として機能をより強化することとし、①金属 ②化学・繊維 ③情報・サービス ④交通・運輸 ⑤資源・エネルギー ⑥公務 ⑦医療福祉の各部門連絡会を通じ、意思統一していきます。

なお、部門別連絡会は、1月~3月に開催し、産業状況、雇用・賃金の実態と情報の共有を図り、今次春季生活闘争の協力・連携を図ることとします。

(3)中小支援センターの取り組み強化

中小労組を組織する構成組織、神友連、連合ユニオン神奈川を中心に、9地域連合も加わり設置した「中小支援センター」の活動の活性化をはかり、地場・中小の賃金改善を始め各種労働条件の改善に向け、構成組織の情報交換、地域共闘に努めるなど、交渉力強化を図ります。

特に、厳しい経営環境に置かれる地場・中小組合の闘争支援を、きめ細かく行うこととし、地域の共闘強化を図ります。

*2018春季生活闘争・中小学習会の開催

①日 時 2018年2月23日(金)18時30分~

②場 所  ワークピア横浜「かもめ」

③規 模  約60名 構成組織1~2名(中小担当者)、地域連合1名、連合ユニオン、神友連

(4)神奈川ミニマム運動の取り組み

神奈川における地域・地場・中小組合の賃金実態を基に、神奈川ミニマム運動の確立に向け取り組みます。なお、2018年地域ミニマム運動の結果について、その趣旨が活かされるよう、チェックとフォローを行います。(2018実績: 6産別40組合4,400人、2017実績:5産別42組合6,360人、)

(5)地域フォーラムの開催に向けて(2017年12月22日開催、規模:100名)

神奈川県・神奈川県経営者協会・連合神奈川の共催による「政労使一体の働き方会改革フォーラム」を開催します。地域の労働条件の底上げと賃金の波及力を高めるため、定期的な開催に向けて、引き続き、関係組織と調整していくことにします。

3.政策・制度要求の取り組み

政策制度要求と春闘を「運動の両輪」として、生活改善・格差是正の運動を進めます。

「2018年度に向けた政策・制度要求」については、神奈川県・横浜市・川崎市・相模原市・神奈川労働局からの回答を十分精査するとともに、新たな産別等からの政策要求項目を踏まえると共に、将来を見据えた提言の充実に努めるなど、要求と提言の実現に向けて取り組みを強化していきます。

 4.組織拡大等の取り組み強化

春季生活闘争の機会と連動して、組織拡大の取り組みを実施します。

(1)時期 2018年2月~7月をキャンペーン期間とします。

(2)内容 ①地域連合・構成産別と連携をとり、「まちかど労働相談」を実施します。

②各地域連合で開催する「連合の日」を活用して、街頭行動にて市民にアピールします。

③組織拡大実践研修会で学んだノウハウを、構成産別・地域連合で実践していくことにします。

 

5.最低賃金の取り組み

2017年度の総括を踏まえ、生活できる水準への早期引き上げに向けて取り組みの強化を図ります。

(1)取り組みの基本

1)最低賃金は、賃金闘争の基礎となることから、労働組合のまさに賃金闘争と位置づけ、取り組みを強化します。

2)最低賃金は、連合神奈川の基本的任務と捉え取り組むこととし、その前進に向け最大限の力が発揮できる環境を作り上げていくことにします。

なお、取り組みにあたっては、各産別・単組と一体となった取り組みを進めます。

3)連合方針に基づき、産別は加盟組合全従業員対象の最低賃金協定締結の有無を把握し、すべての組合が必ず要求するよう指導するとともに、パート・有期契約労働者を含む全従業員対象の企業内最低賃金協定の締結等への取り組みを強化し、産業部門別連絡会などの場で連携を強めていきます。

④ 最賃の理解促進を目的に、広報活動を強化していくことにします。

(2)地域最低賃金の取り組み

1)最低賃金対策委員会の開催

最低賃金の前進を図るため、最低賃金担当者会議や学習会等を開催します。

2)議会陳情・請願の提出

地域連合と連携し、労働局や神奈川県議会および自治体各議会へ、陳情・請願を行うことにします。

(3)特定賃金の取り組み

1)特定最低賃金の改正について

2017年度の必要性審議の結果を踏まえて、今回「意見の一致を見るには至らなかった」すべての業種(鉄鋼・非鉄・塗料・電気・一般機械・輸送・自動車小売)について、当該産別と十分な意見交換のもと、当該産別労使のイニシアチブの発揮に向けた働きかけを強化するなどの取り組みを進めます。

2)企業内最低賃金について

特定最賃の水準引き上げを視野に入れて、その産業にふさわしい水準で協定するために、企業内最低賃金の締結拡大および見直しを図ることにします。

6.地域連合の取り組み

(1)地域春季生活闘争の取り組み

連合2018春季生活闘争の地域における展開をはかります。具体的には、中小労組を中心に「雇用の確保」「賃金水準の底上げ」「労働条件の維持・向上」をめざし、取り組みを進めます。

(2)連合街頭行動の実施

2018年2~3月のゾーンで、春季生活闘争ならびにクラシノソコアゲキャンペーン第3弾の取り組みを、県下全域にて街頭行動(連合神奈川の日)を実施します。

(3)学習会・集会等の実施

中小労組の取り組み支援のため、「労使交渉」「情報交換」「交渉力の向上」を目的とした、学習会の実施や決起集会等を開催します。なお、具体実施要領については、地域連合に一任していくことにします。

7.広報宣伝活動の取り組み

① 2018連合白書の活用  ② 学習・研修会決起集会への講師・役員の派遣

③ 連合「2018春季生活闘争情報」「闘争速報」の有効な活用  ④ カレントの有効的な活用

⑤ ホームページ利用による情報の提供

8.大衆行動の組織化

(1)2018春季生活闘争総決起集会の開催

交渉の盛り上げに向けて、2018春季生活闘争総決起集会を開催します。

日時:2018年3月1日(木)18時30分~

場所:横浜市教育会館   規模:500名