連合神奈川では、2016年9月14日、ワークピア横浜において「第12回教育を語る県民のつどい」を開催した。このつどいは、社会構造が大きな転換期を迎える中で、教育の課題は、働く者自らの問題でもあることから、教育が真に「未来への投資」となるよう、教育諸課題について話し合われており、今回は「労働教育」を主要テーマとした。
はじめに主催者を代表して柏木会長から「『働く貧困層の増加』が教育に大きな影響を与えている。生活するのに精一杯で学業に時間をとれない若者が増えている。次世代が将来ビジョンを描けない社会となってしまっていることについて我々がもっと考えていく必要がある」と核となる問題認識について挨拶した。
続いて、一橋大学大学院社会学研究科フェアレイバー研究教育センターの髙須裕彦氏を講師に、「若者たちの労働実態と求められる労働教育の視点」と題した講演を受けた。
髙須氏は「この20年間に日本の労働社会は激変した。格差と貧困が拡がり、先進国で唯一賃金水準は低下を続けている。ひとり親世帯の子どもの貧困率は世界1位の50.8%となっている等々、背景やデータを説明していただいた。労働教育については、現状では大学や社会で学ぶ機会がないことから、高校での外部と連携した労働教育が重要となる」と話され、トラブル事例の寸劇も交えて現実に若者を過労死やうつ病にさせないたためにも労働相談と最低限の知識が大切だと述べられた。
地域からの報告では、県中央地域連合の鍛治事務局長からは「地域に顔の見える労働運動と労働教育」について話していただいた。県中央地域連合の4市に対する政策・制度要求と提言の中で労働教育を充実させるよう工夫しながら盛り込んでいることや、地域のNPOとの連携で、小学校での労働教育にトライしているということであった。
学校での労働教育や、労働法を周知する取り組み、そして働きやすい職場作りに向けた取り組みの重要性を再認識しあい閉会した。
日 時:2016年9月14日(水) 18:30~20:00
場 所:ワークピア横浜2F「くじゃく」
参加者:役員含め64名