メーデー宣言
ガスター労働組合 田中義俊様
第93回県中央地域メーデーのメーデー宣言を読み上げさせていただきます。
メーデー宣言、新型コロナウィルスが世界で初めて確認されてから2年余りが経過した。未だ世界中に大きな混乱をもたらすなど厳しい状況にある中で、第93回県中央地域メーデーも、昨年につづき従来とは異なるかたちでの開催となった。
新型コロナウィルス感染拡大は、社会が抱えている様々な課題を顕在化させた。私たちは、人への投資を積極的に求めてきた春季生活闘争をはじめとするすべての取り組みを通して、ダメージを受けた経済・社会の回復をめざし、すべての職場の仲間と連帯し「命とくらしを守ること」を基軸に、今こそ心を一つにして、支えあいと助け合いにより困難な状況を乗り越えていかなければならない。
2月24日、ロシアのプーチン大統領はウクライナに対する軍事侵攻を開始した。ウクライナの領土と主権を侵害し、国際法に反する軍事侵攻を速やかに終結させるため、世界の叡智と努力が求められている。また、自由と民主的社会の力による現状変更を行おうとする強権国家の状況は看過できない状況にある。
産業や技術の発展により人々の暮らしが便利になることと引き換えに、地球環境に対して、地球温暖化をはじめとするさまざまな悪影響が及んでいる。気候変動を要因とする大規模な自然災害が毎年のように発生しており、災害への備えとともに環境負荷の小さい生活スタイルが求められている。
あらゆる職場で、働く人とその家族が、安心・安全に働き暮らすことのできる社会をめざし、「ゆとり、豊かさ、社会的公正」の実現を訴えていく。そして、すべての労働者の「底上げ」「底支え」「格差是正」に取り組み、政策制度の実現を通じて「働くことを軸とする安心社会~まもる・つなぐ・創り出す~」の継承・深化に向け、NGO・NPOをはじめとする諸団体と連携を強化していく。
アフターコロナの社会に向けて、働き方・暮らし方・生き方の見直しも求められている。あらゆる差別や誹謗・中傷などによる社会の分断を許さず、現在も命の危険に怯える人がいることを心にとめ、平和の中で働き、平和の中で集うことができる大切さを決して忘れることなく、次の世代に引き継いでいかなければならない。私たちは、働く者の地位や労働条件の向上、権利拡大をはじめ、人権・労働基本権の確立、民主主義の発展、恒久平和の希求に貢献してきたメーデーの意義を心に刻み、力強く行動することを確認し、ここに宣言する。
2022年4月19日
第93回県中央地域メーデー