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2016年度に向けた政策・制度要求と提言(全文−その1)  
 
2016年度に向けた「 政策・制度要求と提言」の取り組み
〜現状認識と課題〜
 

日本は、多くの困難に直面している。国内では、東日本大震災からの復興・再生を日本再生の最重要課題と位置づけた取り組みが求められている。一方で、進行する格差・貧困問題の拡大や不安定雇用の増大、将来的な制度維持に不安を抱える社会保障制度など、多くの国民が生活不安や将来への不安感を抱えている。
このような課題を克服していくためには、非正規雇用から正規雇用への転換促進、就労支援策の拡充、最低賃金の引き上げなどによる国民生活の底上げや、社会保険の適用拡大など重層的な社会的セーフティネットの整備、および社会保障と税の一体改革を通じた所得再分配機能の強化が求められる。
4月に実施された第18回統一地方選挙の結果、組織内外議員の議席獲得数は若干の減少となり、地方政治への影響力低下が懸念される。このような政治状況に対して、連合が求める政策を実現していくためには、政策を絞り込むとともに、組織の総力をあげ、あらゆる手段を用いて取り組んでいく必要がある。
連合は、真に暮らしと雇用の安定・向上につながる政策の実行を求め、政府・政党への要請行動を展開している。「STOP THE 格差社会! 暮らしの底上げ実現」を合言葉に、国民が将来にわたって希望と安心が持てる「働くことを軸とする安心社会」をめざし、今解決すべき重要課題を直視し、その実現をはかるべく取り組んでいく。
連合神奈川は、神奈川で働く労働者の代表として、神奈川において「働くことを軸とする安心社会」を実現するため、全力を挙げて取り組むこととする。

◇情勢認識と課題
1.以下の連合本部の情勢認識と課題を共有する
(1)東日本大震災からの本格的な復興・再生
東日本大震災の発生から4年が経過し、被災地では、時間の経過とともに被災者のニーズは多様になり、課題も変化している。住まいの再建、復興まちづくりの問題でいえば、様々な加速化措置が講じられているが、人件費や資材の高騰により各自治体では入札不調が多く発生しているとの報告もある。また、要介護度の重度化や孤立死の増加が指摘されるなど、医療、介護、福祉サービスの充実が引き続き求められる。
産業の復旧・復興については、グループ補助金等を通じて、地域経済の核となる中小企業の再建、復興を支援する取り組みが行われてきたが、水産・食品加工業や卸小売・サービス業などでは、売上げの回復の遅れが目立っている。雇用の面についてみると、被災地3 県の有効求人倍率は1 倍を超える水準で推移しているが、雇用のミスマッチも指摘されるなか、復興需要への依存ではなく、長期安定的な雇用の創出に向けた成長産業の育成が重要である。
さらに、持続可能な地域づくりの観点では、震災以前から存在する人口減少、少子高齢化に対する対応も欠かすことができない課題である。この間の復興の遅れから若年ファミリー層が転出し、高齢化に一層拍車をかけているとの報告もあるなか、子どもの育成支援にとどまらず、若年雇用の創出、ファミリーフレンドリーな労働環境の整備など、取り組むべき課題の重要性は高い。

(2)雇用とくらしの状況
雇用の状況を見ると、有効求人倍率、完全失業率等の雇用指標は良好に推移し、2014 年平均の雇用者数(役員を除く)は前年に比べて約39 万人増加している。しかし、その内実を見ると、正規雇用者は約16 万人減少し、非正規雇用者が約56 万人の増加となっており、この結果、全雇用者(役員を除く)に占める非正規の割合は37.4%となった。これは、社会保険などのセーフティネットからこぼれ落ちやすい不安定雇用が拡大しているに過ぎない。また、雇用における男女平等参画については、女性就業者の約6 割を非正規労働者が占める状況や、就業継続を希望しても妊娠・出産を機に退職せざるを得ない女性が多く存在している状況の改善が遅れている。男女が等しく活躍できる社会の実現に向けて、さらなる取り組み強化が求められる。
国民のくらしについては、2014 年10 月には、生活保護受給世帯がおよそ162 万世帯に達し、2012 年末に比べて4 万4 千世帯も増加している。2012 年の日本の相対的貧困率は16.3%、子どもの貧困率は16.1%と、ともに過去最高を記録しており、2013 年以降も貧困の拡大が危惧される。格差是正、貧困解消に向けて、さらなる取り組み強化を求めていかなければならない。

(3)政策実現のための基盤体制づくりの必要性
2014 年11 月に第2 次安倍政権は、2015 年10 月に予定していた消費税率10%への引き上げを18 ヵ月延期したうえで衆議院を解散することを決定し、増税延期の判断理由を「景気が腰折れする懸念があり成長軌道に戻っていない」と説明した。このことは、政権が推し進めてきた「トリクルダウン」を要諦とする経済政策の成果が、実体経済に十分に波及しないという事実を露呈させたものであり、将来にわたる財政健全化と社会保障の充実を大きく後退させたことの責任はきわめて重い。それにもかかわらず、2014 年12 月の第47 回衆議院議員総選挙では、自公あわせて326 議席を確保し、再び全議席の3 分の2 以上を占める巨大与党となった。しかし、投票率は戦後最低の52.66%であり、与党が獲得した得票数は全有権者の3 割にも満たない実態である。
そうした実態とは裏腹に、第3 次安倍政権は、「数の力」を背景にした政治姿勢を一層強めている。特に警戒すべきは、先の経済政策の失敗を顧みることなく、規制改革を断行するとして労働者保護ルールの改悪に拍車を駆けようとしているばかりか、労使が拠出する公的年金積立金をリスク性の高い金融商品で運用する方針を打ち出していることである。このような労働者の安心を大きく棄損する暴挙はなんとしても阻止しなければならない。そのためには、民主党が、国民目線で巨大与党への対抗軸を示し、国民の信頼を取り戻すことで、一日も早く生活者・働く者の立場に立った政策を実現するための基盤体制をつくりあげる必要がある。

(4)「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けた運動の展開
連合は、2010 年12 月に「働くことを軸とする安心社会」を提起し、これをおおむね2020 年までに実現することをめざしている。現下の状況において、現政権が進めようとしている労働者を犠牲にした「トリクルダウン型」の政策理念のもとでは、この目標の達成は困難であり、すべての働く者のくらしの底上げ・底支え、格差是正、貧困の撲滅を着実に前進させる「ボトムアップ型」の政策こそが求められている。
わが国の最重要課題である東日本大震災からの復興・再生をさらに加速させるとともに、デフレからの確実な脱却によって経済の好循環をつくりだし、安定的成長軌道へ復帰しなければならない。そして、今後さらに進行する「少子高齢化」「人口減少」によって直面する様々な社会問題を解決するためにも、「分厚い中間層」の復活による力強い社会・経済基盤のもとで、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けた政策を推し進めていくことが必要である。

2.神奈川の現状
(1)神奈川における、最近の経済情勢は、@個人消費は一部に弱さが見られるものの、持ち直している A住宅建設は前年を上回っている B設備投資は26年度の設備投資計画額をみると増加見込みとなっている C企業の景況感も全産業で「上昇」に転じたとされている。(関東財務局 2015年4月発表)
  また、雇用情勢は、@有効求人倍率は低水準で推移 A新規求人倍率は低水準で推移 B新規求人数は前年を若干上回る、等となっており厳しい状況にあるものの、穏やかな持ち直しの動きが続くとされている。(神奈川労働局 2015年4月発表)

(2)神奈川における、社会情勢を展望すると、最も懸念されるものは、少子・高齢化の急速な進展である。神奈川県の人口は、新たな推計よると転入者の減少などの理由により、前回の推計から1年前倒しとなる2018年をピークに人口減少に転ずると予想されている。人口減少による労働力人口の減少は、需要・供給の両面から経済成長にマイナスの影響を与える恐れがある。
今後、神奈川県内で豊かで安心できる勤労者生活を実現していくためには、政労使の一体的な取り組みによる雇用の安定と、全ての勤労者の所得拡大等、社会全体の「底上げ・底支え」「格差是正」を確実に進めることによる、安定的・継続的な経済成長が必要である。

(3)神奈川県は、県政運営の総合・基本的指針を示す総合計画として「かながわグランドデザイン」の「基本構想」および「実施計画」を策定し様々な課題への対応を進めてきた。今年度は、新たに第2期目の「実施計画」について、県民からの意見や提案を受け、「かながわグランドデザイン実施計画」の策定を進めている。
また、今年度は、「まち・ひと・しごと創生法」に基づき神奈川県および市町村において、人口減少の課題に対応した取り組みを推進するために、地方創生推進会議を開催し、広く関係者(「産・官・学・金・労」)の意見を反映させた「地方版総合戦略」を策定することとされている。
連合神奈川としても、神奈川県や県内自治体が開催する関連した諸会議に参加し、私たちがこれまで要望してきた「働き方改革」「少子化対策」などの政策を反映させるために、各地域連合と連携しながら取り組むことが求められている。

◇連合神奈川「政策制度要求と提言」の位置づけ
2016年度に向けた政策制度要求と提言の取り組みは、2016年度の自治体予算編成に反映させるための「重点政策」と、昨年から取り組んできた「将来を見据えた政策提言」としている。これまでの取り組み・成果等から、政策策定論議の深化と、労働者をはじめとする幅広い国民各層のニーズを踏まえ、政策の優先順位付けと絞り込みにより「政策・制度要求」の実現に向けて取り組むこととする。
特に、昨年から取り組んできた「将来を見据え2020年までに取り組むべき政策提言」については、神奈川県版「政労使会議(仮称)」を設置することによって課題の共有と政策の転換を求めてきた。本年6月、神奈川県は、地方創生推進会議にて、広く関係者(「産・官・学・金・労」)の意見を反映させた「地方版総合戦略」を策定することとなり、私たちが提言した方向で動き始めている。
また昨年作成した提言の中で、今後の政策検討の方向として示した、
@ 社会の成長を支える労働力人口の確保
A 現在から更に加速する超高齢社会への対応強化
B 子育てと仕事の両立をめざしたワークライフバランス社会の早期実現
C 子育て世帯や高齢者世帯を支え合うことができる地域コミュニティの創造
を基本に産業の活性化も考慮し、政策策定論議を進めてきた。
「将来を見据えた政策提言」については、2016年度自治体予算編成への対応と併せ、次年度以降も継続的に取り組みを進める必要があることから、各政策において「重点政策」に取り込み、補記として「将来を見据えた政策」と経過を表すこととする。
 リンク
2016年度に向けた「政策・制度要求と提言」の取り組み
経済・産業政策
雇用・労働政策
福祉・社会保障政策
社会インフラ政策
環境・エネルギー政策
教育・平和・人権政策
行財政政策
◇重点政策◇
 
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