連合神奈川は、2018年1月24日(水)の第323回執行委員会において「2018春闘方針そのⅡ」を確認しました。本確認内容を踏まえ、連合神奈川としての主な諸行動を示し、取り組んでいくことにします。

連合本部、2018春季生活闘争第1回・第2回中央闘争委員会での確認事項

1.第1回中央闘争委員会 確認事項(要旨)

(1)構成組織における2018闘争体制の確立

構成組織は、すべての働く者の賃金の「底上げ・底支え」「格差是正」による継続した所得の向上を通じて「経済の自律的成長」「社会の持続性」の実現をはかる。とりわけ「大手追従・大手準拠などの構造を転換する運動」と「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」の流れを継続・定着・前進させる。加えて「すべての労働者の立場にたった働き方」の実現を同時に推し進めるという2018春季生活闘争方針の主旨に沿って、それぞれ闘争方針と闘争体制を確立していく。その際には、それぞれの産業ごとに個別銘柄の「最低到達水準」「到達目標水準」を明示し、社会的な共有に努める。

(2)共闘連絡会議の開催

部門別共闘連絡会議は参加構成組織の要求内容を把握した上で適宜会議を開催し、より主体的な闘争を進めるために、非正規労働者も含めた賃金引上げと働き方の見直し、および中小組合への支援状況などについての情報交換と情報開示を進めていく。単組の要求策定に資するよう、「中核組合」の確認および各回答ゾーン(7.参照)で回答を引き出す組合の設定を早期に行った上で、2月初旬に「中核組合の賃金カーブ維持分・賃金水準」および「代表銘柄・中堅銘柄」を開示できるよう準備を進める。

(3)「底上げ・底支え」「格差是正」の取り組み

2018春季生活闘争において実現をめざす重要な目標である様々な格差(企業規模間、雇用形態間、男女間など)の是正をめざし、実効性ある取り組みを行うための準備を進めていく。構成組織においては、「最低到達水準」を確保する点検を行う。地方連合会は、連合リビングウェイジに基づく「最低到達水準」および地域ミニマム運動に基づく「地域の職種別賃金相場」を広く開示し、地場の賃金相場の社会的波及を進める。

(4)職場点検活動の実施

単組は、「2018春季生活闘争 職場点検チェックリスト」も用いながら職場点検活動を行い、法律・労働協約の遵守や安全問題への対応を徹底させ、公正なワークルールの確立をめざす。とりわけ、2018春季生活闘争方針を踏まえ、36協定の点検や年次有給休暇の取得促進などによる長時間労働是正、無期転換ルールの周知や転換促進および雇用形態間の不合理な労働条件の点検・改善等非正規労働者のワークルール、男女平等の促進などに取り組むこととする。

(5)社会対話の促進

連合本部は経団連とのトップ懇談会等、経済団体との協議を通じて労働側の主張を明確にしていくとともに、「クラシノソコアゲ応援団! RENGOキャンペーン」第3弾と連動し広く社会に向けてアピールする。地方連合会は、開かれた春季生活闘争の実現に向けて地域のあらゆる関係者との連携をはかるべく、地域活性化や人財確保など地域の課題をテーマとした「地域フォーラム」を開催するべく、実施に向けた諸調整を促進する。

(6)組織拡大の取り組み

構成組織は春季生活闘争の中で、同じ職場で働くパート・有期契約などの非正規労働者の組織化と、子会社・関連会社、取引先企業などにおける集団的労使関係の構築に取り組む。

(7)2月末までの要求提出と回答引き出しに向けた交渉配置

構成組織・単組は2月末までに要求を提出し、共闘連絡会議第1回全体代表者会議において確認した以下のゾーンでの回答引き出しに向け、精力的に交渉を進める。

  • 第1先行組合回答ゾーン       3月12日(月)~16日(金)
    【ヤマ場              3月14日(水)】
  • 第2先行組合回答ゾーン       3月19日(月)~23日(金)
  • 3月月内決着集中回答ゾーン       3月24日(土)~31日(土)

具体的な戦略・戦術については、交渉状況等を踏まえ、別途確認する。

 2.第2回中央闘争委員会 確認事項(要旨)

(1)経団連「2018 年版経営労働政策特別委員会報告」に対する連合見解

経団連は1月16日、「2018年版 経営労働政策特別委員会報告 -働きがいと生産性向上、イノベーションを生み出す働き方改革」(以下「報告」)を発表した。連合は「報告」に対し総括的に見解を示すとともに、経営側に対して労働組合の主張を徹底していく。

「報告」は冒頭「序文」において、「4年間にわたって実現してきた賃上げのモメンタムをデフレからの完全脱却と経済の好循環の拡大・加速へつなげていかなければならない」。そのためにも、「何よりもまず経営者自らが積極経営のギアをさらに上げる」必要があると力強く宣言している。

いまだ力強さを欠く個人消費の伸びや景気回復の実感が全国に広がっていない現状に対し、経済界として、とりわけ賃金引き上げに対して、従来に比べて踏み込んだ呼びかけを行っている姿勢は評価できる。

また、「社会保障制度の持続可能性や教育費負担への懸念」をはじめとする将来不安、2019年10月に引き上げられる消費税の使途に触れ、政府に対して社会保障改革、財政健全化の道筋を示すことを求めている。これらは連合も同様の考え方を持っており、その実現に向けて労使で積極的な取り組みを進めていきたい。

「報告」は、経済全体の好循環につなげていくために「働き方改革と労働生産性向上の一体的取組み→企業収益の拡大→処遇改善」という「社内における好循環」をつくり出す、としている。その方向性については、理解できるものの、真に自律した経済成長を求めるならば、「人への投資」と生産性向上が同時に推し進められる「正のスパイラル」が必要であることを指摘しておきたい。

 連合神奈川における「2018春季生活闘争」今後の主な取り組み

(1)中小支援センターの取り組み

2月初旬より中小労組春闘オルグを開始します。

2018春季生活闘争・中小学習会開催

日 時  2018年2月23日(金)18時30分~場 所   ワークピア横浜「かもめ」 規模 60名

演 題  2018春季生活闘争・中小共闘の取り組みと課題(仮題)

講 師  連合 総合労働局長  富田 珠代 氏

(2)神奈川ミニマム運動の取り組み

①これまでの取り組み経過

これまでの地域ミニマム運動では、集約された実態調査結果の全産業男女計の第1十分位を基本に、各地方連合会で35歳を基本年齢とした5歳ポイント毎の「地域ミニマム賃金」を設定し、それ以下の賃金水準の労働者をなくす運動を展開してきた。

②連合神奈川としてのミニマム基準設定

連合神奈川におけるミニマム基準の設定については、全産業の賃金水準が把握できていないものの、構成組合の協力の下、これまで地域ミニマム賃金設定が可能となる目安としての、「300人未満の中小労組を基本に、3,000名分以上の目標」は十分にクリアーできていることから、上述の「年齢別賃金特性値表」および「産業別特性値表」の第1十分位を、連合神奈川としての2018春闘におけるミニマム基準の参考値として設定することにする。

(3)組織拡大等の取り組み

①春闘を通じた組織拡大

交渉期間の前後を通じ、未組織・未加盟組合への情報提供、相談対応を積極的に進めることにします。具体的には、「クラシノソコアゲ応援団!RENGOキャンペーン」との連動を図りながら、「連合神奈川の日」における街宣活動など、「目に見える連合神奈川」をアピールしつつ、組織拡大の運動に寄与していくことにします。

②まちかど労働相談の実施

「まちかど労働相談」を5月19日(土)、6月16日(土)、10月8日(月)、11月13日(金)13時~新都市プラザ(横浜そごう前)にて開催していくことにします。

(4)春闘学習会・決起集会の開催

①連合神奈川 2018春季生活闘争総決起集会

日 時   2018年3月1日(木)18時30分~

場 所     横浜市教育会館「4階ホール」   規模  500名

○主催者代表挨拶 連合神奈川 柏木 会長

○基調講演    連合本部  内田 副事務局長

○産別代表決意表明  2産別より

○集会宣言(案)採択 連合神奈川青年委員会

○団結ガンバロー

②地域連合 春闘学習会・決起集会

(5)要求内容・交渉状況の把握

構成組織の要求内容・交渉状況・回答内容を適宜把握し、中小労組・連合ユニオン神奈川・神友連の交渉に役立てていくことにします。ついては、別紙 連合神奈川2018春季生活闘争「要求・回答一覧」の通り、全構成組織における要求と回答内容の報告を求めていくことにします。